human reproductionより
副腎から排出されるコルチゾールと排卵の関係を示唆した報告です。
https://academic.oup.com/…/article…/39/3/578/7588788…
研究デザイン:
・前向きコホート研究
・不妊治療を受けている50人の女性が含まれており、異なる時点(0時間、12時間、17時間、32時間、36時間)計測
・卵胞液(FF)と顆粒膜細胞(GC)を提供
前駆体 抗炎症
コルチゾン→→→コルチゾール
結果:
1)排卵時にコルチゾールが大きく関与
・排卵が近づくと、コルチゾールの濃度が大幅に上昇
・具体的には、排卵前の数時間(0時間)で数nMの濃度から、32〜36時間後には約100〜140nMに増加
2)酵素活性の変化
HSD11B1(コルチゾンからコルチゾールを生成する酵素)の発現は、0〜12時間で690倍、36時間で20,000倍以上に増加。
3)黄体ホルモンの関与
プロゲステロンと17OH-プロゲステロンの濃度も排卵過程で高レベルに増加
→これによりコルチゾールがその結合タンパク質(CBP)から解放され、コルチゾールの生物学的活性が高まる
コルチゾールは、排卵後の炎症を抑制するだけではなく、排卵そのものに必要なホルモンと考えられます。
コルチゾールは
1)ストレス応答
2)血糖値上昇
にも寄与する副腎から排泄されるホルモンになります。
これらの事から
・朝が起きれない
・昼食後の倦怠感、耐えられない睡眠傾向
などの低血糖症状がある場合
↓
ストレス過多によるコルチゾールが欠乏=血糖値低下
↓
排卵時のコルチゾール上昇のドライブがかかりにくい
↓
無排卵、生理周期の乱れ
が想起されます。
ストレスを調整する事が、無排卵抑制、生理周期の安定につながる可能性を示唆しています。