皆さん、こんにちは。
5月に入りました、新しい月のスタートになりました。
アメリカの生殖医学会のFertility and Sterilityも新しいtopicsが掲載されています。
その中でも、
子宮内膜症を抑制する為に、経口避妊薬(ピル)を実施された2,682人において、気分が不安定になり、44%中止されていた事が報告されています(その52.7%がうつ病の診断も受けられています。)
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(24)02441-5/abstract
これらに関して、子宮内膜症の発生機序について少し整理できればと思います。
下記の報告では判り易く、子宮内膜症、腺筋症の特徴を分類されています。
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(23)00211-X/fulltext
特に、子宮内膜症に関しては
「エストロゲンに反応しやすい」
と記載されています。
分子レベルでの反応も記載されています。
”estrogen receptor-b (ESR2) is overexpressed in endometriotic stromal cells”
”エストロゲン受容体b(ESR2)は過剰発現している”
それらに加えて
”ESR2 expression is also regulated by a promoter region that is unmethylated and active in endometriosis, whereas it is methylated and suppressed in the normal endometrium”
”ESR2(エストロゲン受容体β)の発現もプロモーター領域によって調節されており、子宮内膜症ではこのプロモーター領域が脱メチル化されて「活性化」しているのに対し、正常な子宮内膜ではメチル化されて「抑制」されている。”
と記載されています。
子宮内膜症のある皆さんは
エストロゲンを受けとる「受容体」ESR2という遺伝子が増加し
よりエストロゲンを過剰に受け入れて、それらが
子宮内膜症を増加させている事が記載されています。
それらが
メチル化が起こっていないから
とも伝えてあります。
メチレーション回路は、一番、右端(オレンジ)に移行していく、歯車の回路の動きにより
不必要な遺伝子を抑制し、正しい遺伝子のみをつくる回路
でもあります。
結果、メチレーションが安定していると、エストロゲンを過剰にうけとるESR2が減り、内膜症も低減する可能性を高める事になります。
そして
子宮内膜症とうつ関係も、このメチレーション回路から考えることも実はできます。
メチレーション回路において、現在、皆さんが注意深く取り組まれている
葉酸回路の左隣に
BH4回路
があります。
この回路の役割は
1)チロシンをドーパミンという脳内ホルモンに転換
2)トリプトファンをセロトニンという脳内ホルモンに転換
します。
BH4回路が障害されると
セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の合成が低下し、
「不安・抑うつ・PMS・慢性疲労・注意欠如(ADHD)」のような症状が出やすくなる事が判っています。
つまり、メチレーション回路の低下により子宮内膜症が罹患しやすく、また、うつ病と子宮内膜症との関係も同時に理解することができます。
発達障害などの要因は、このBH4回路が回らなくなり、脳神経物質が産生しにくくなる事から引き起こると
近年は考えられる様になってきています。
そして
BH4は、特に「酸化」に弱く
活性酸素(ROS)や過酸化物が多いとBH4は酸化されてBH2(不活性型)となり、メチレーションがストップする事になるのが判っています
発達障害が出産時には判らずに、生後年齢が進むにつれて発覚するのは
大きくなるにつれ、社会課題が増え、それらの課題がよりストレスを高める為に
酸化を進ませていき
メチレーションが回らずに神経物質が産生できなくなる事から
定型の適応が困難になるからと、分子栄養学のウォルシュ博士は伝えています
これらは、エピジェネティクスな修飾によるものとされています
環境が変わる=酸化を抑制すれば、発達の問題も安定する可能性を同時に物語っています。
現在、皆さんが取られている
タマベビはBH4回路の隣にある葉酸回路をまわし
ママナルは、実はドーパミンを活性化することから, BH4回路をサポートします。
そして、スピルリナは天然ビタミンC、スピルリナにより強力な酸化抑制を行います。
3種のサプリメントによるメチレーション促進は、子宮内膜症のみならず、将来のお子さんの自閉症を抑制する役割も兼ねているとも考えられます。