ある研究があります。
設定
1)牛の卵子対象
2)未成熟卵子を24時間体外培養
3)ビスフェノールAおよびビスフェノールSを1fM〜50μM添加:濃度の単位は、fM→pM→nM→μM
成熟率、紡錘体異常、染色体の整列異常の有無を検討
(ビスフェノールA群939個+対照群250個、ビスフェノールS群432個+対照群110個)
結果
①成熟率への影響はなし
②紡錘体異常と染色体の整列 異常がどちらも有意に認められた:濃度依存ではない
【Hum Reprod 2018; 33: 895(米国)doi】
牛の卵子ではありますが、ビスフェノールによる卵子の遺伝子異常のある可能性が示唆された内容になります。
以前、お伝えしたこともあるかと思いますが、体外受精の成功率に関しては「染色体」の問題もある事が示唆されています。
一般に環境ホルモンと言われています。ビスフェノールAはエストロゲン様の作用をする事からそう言われています。
この資料によれば、日本が明確に尿中含有量が高いのがお判りになると思います。
このビスフェノールはどの様な素材に含まれている傾向が強いかと言いますと
「樹脂製のもの」と解釈頂いてもよいかと思います。
哺乳瓶、缶詰の内部、歯科の詰め物、コピー用紙、そして、弁当の容器などに含まれています
この成分は加熱することにより気化、液化することも言われていますので
例えば、コンビニ弁当やプラスティックの弁当容器をレンジで「チン」する事で
その成分を経口に含む可能性があります。
ビスフェノールAについてのQ&A(クリック下さい)
厚労省の見解です。強い規制まではしておりません。
必ず、その因子が全ての方へという訳ではありません。
ただ、前述のデータからも、濃度依存ではない=少しの暴露にても引き起こる可能性がある事が考えられる場合では、より、リスクをなくしていく事は必要かと考えられます。