先日、所属している日本生殖医学会からあるメールが届きました。
内容は、厚労省が作成している資料の周知を促す内容でした。
添付していた資料では
2015年の国立社会保障・人口問題研究所「2015 年社会保障・人口問題基本調査」では、不妊の検査や治療を受けたことある(または現在受けている)ご夫婦が、全体で18.2%、子供のいない夫婦では28.2%になっています。
これは夫婦全体の5.5組に1組になります。
もし不妊で悩まれている方が、佐賀でユニクロで買い物をされていたらならば同じ悩みを持たれた経験をされている(されていた)方が同じフロアにおられる、と言い換えてもよいのではと思います。
今回の通知に添付されていたのが
「仕事と不妊治療の 両立支援のために」 (← クリック下さい ) になります。
この資料は先ほど述べた現在の不妊治療を行われている皆さんの現状を細かくデータ化しただけでなく
企業側が不妊治療をされている方々の実態を知っているのかも調査しています。
当施設に来て頂いている皆さんからお聞きしていると
ご職場には言いにくい、もしくは、言っても理解して頂けない
そんな声をお聞きします。
それは、勿論ご自身のお身体の事を知られたくないという事はあるかと思いますが
他の風邪の様な優遇ができる前提で、その選択をされるのならばよいのですが
選択できない現状は非常に不妊で悩まれている皆さんを苦しめていると思えます。
その根本は周囲の不妊治療の関心の低さとも言えます。
例えば、風邪を引いてお休みはできるのに、不妊治療は別の理由を言って行かなければいけない
また、ホルモンの変化により、来院の日が決まりますので、より言いにくいこともあるかと思います。
このデータでも自社で不妊治療をされているかを知らないが67%ととても高い数値になっています。
不妊治療を進めることで、社会的に不利になる(=会社が体制を整えていない)のが予測できる結果とも言えます。
この「仕事と不妊治療の両立支援のために」があるのを知っていますか?
先日の佐賀市議会で傍聴した際にも、宮崎議員の質疑応答を受けて
「最近、配布し始めた」
との市担当者の方のコメントもありました。
今回の日本生殖医学会の通知が今来始めた事も踏まえて、まだこれから認知度が高まっていく事が予測できますが
この資料の特徴的なことは、最後に会社から不妊治療を承諾して頂く為のツールを厚労省が作成している事です。
「不妊治療連絡カードは、不妊治療を受ける、今後予定している従業員が、企業側に、不妊治療中であることを伝えたり、企業独自の仕事と不妊治療の両立を支援するための制度等を利用する際に使用することを目的として作成したものです。」(資料から抜粋)
こう記載されています。
これからこの様な支援がしっかりと公共官庁から進んで、民間の企業へと浸透していけばと願っています。
それが、今、先行きが見えなくて苦しまれている皆さんの決して少なくない支援につながると思います。