本日は、ピルの使用と卵巣年齢(AMH)についての報告です。
低容量ピルは、生理が停止している場合や、生殖医療では採卵前に卵巣をお休めする為に前周期に行われます。また、時には、生理痛を止める為に卵巣・内膜の変化をストップさせる(カウフマン)目的においても使用されます。
ピルの生理学的な機序としましては下記の図を見ていただくと
生理周期は
エストロゲンとプロゲステロン
というホルモンが、卵胞期、黄体期において変動し、その差位(波)によって
卵巣の成熟や、排卵、または脱落(生理)が起こります。
それに対して、ピルは、
エストロゲンとプロゲステロンが双方含まれたホルモン剤になります
結果、それを服用する事で
ホルモンの波が平坦化され
卵巣の成長させるホルモンである「FSH」などが産生されずに卵巣が休眠状態になる
ことが考えられます。
ただ、そのピルを使用する事により、AMH(卵巣年齢)や、卵胞数が減退する報告があります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4149933/
・ガン治療後の患者さん(126名)と一般の女性(123名)を比較して
・2.15年以上、追跡調査をした研究になります。
その結果
ピルを使用されている群の
AMH(卵巣年齢)
ガン治療後の女性では 0.79倍
一般女性では 0.45倍
に「低下」してありました。
また、同様にピルを使用している群では
卵胞数においても
ガン治療後の女性、一般女性ともに 0.80倍の「低下」されています。
同一人物にて、ピルを使用前後で比較もされていますが、AMH、卵胞数共に「低下」する結果となっています
非常に考慮すべき研究報告かと思われます。
AMHは眠っている卵胞から出ているホルモンになります、その眠っている卵胞への刺激が低下すると、当然ながらAMHの数値が低くなることが考えれます、また、より考えないと行けないのは、それによって
卵胞数も減退しているという結果です
この結果のみを考えた場合、長期のピル使用は、その後の卵胞への影響がある事を理解した上で
特に、元々、AMHが低い場合は慎重にその使用を検討すべき必要があると考えられます。
当サロンにお越しになられて、AMHが変化される方々が多いのは、
ホルモン剤のデトックスが出来られているからかも知れません
循環とデトックス
は、長期的に妊活をされている皆さんにおいては
有効な選択肢と再認識しております
引き続き、注意深くディスカッションしながら
サポートを進めていければと考えます。