皆さん、おはようございます。
春の雨といいますが、本日は風と雨で1日が過ぎていきそうです。
その分、春特有の花粉は舞うことが少ないため、花粉症に悩まれている皆さんも少しはご負担が和らぐのではないでしょうか?
花粉症は、花粉という異物の吸引によって身体の自己免疫作用が強まり、過剰な免疫反応が引き起こされることで発症します。このような免疫の過剰反応は、着床環境においても影響を及ぼす可能性があることをご存じでしょうか?
妊娠を希望される方の中には、「反復着床不全(RIF)」や「不育症」に悩まれている方が少なくありません。その原因の一つに、子宮内ナチュラルキラー(uNK)細胞の異常な活性化が関与していることが近年の研究で明らかになっています。
ナチュラルキラー(NK)細胞は、免疫系の一部として働くリンパ球の一種であり、主にウイルス感染細胞や腫瘍細胞を素早く排除する役割を担っています。
通常、NK細胞は血液中に存在しますが、子宮内には特有のNK細胞(uNK細胞)が多く存在し、妊娠初期に胎盤の形成や血流の調整をサポートする重要な役割を果たします。
しかし、このuNK細胞が異常に活性化すると、過剰な免疫反応を引き起こし、着床環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
https://academic.oup.com/humupd/article/28/4/548/6545823
上記はオックスフォードhuman reproductionより、メタ解析された精度の高い研究結果になり、子宮内ナチュラルキラー(uNK)細胞の異常な活性化と、妊娠成立が困難になる関係性を報告しています。
・自然妊娠の為、タイミングとっており、卵管造影検査でも問題がないと指摘されているけれども妊娠できない
・受精卵はとれ胚盤胞まで到達するけれども、移植後がうまくいかない
その様な場合において、本件は解決する糸口になるかも知れません。
uNK細胞は、妊娠初期の免疫調整や胎盤の血管新生を促す重要な役割を持っています。しかし、過剰に活性化すると、免疫系が胎児を異物と認識し、攻撃してしまう可能性があります。特に、サイトカイン(IFN-γやTNF-α)の異常分泌が着床環境を悪化させ、着床不全や流産のリスクを高めることが指摘されています。
さらに、uNKレベルが正常値より高いと血管新生因子の産生が増加し、着床周血流が増加することで、栄養膜細胞に過剰な酸化ストレスがかかる可能性があり、 これにより、胎盤形成において異常が生じやすくなり、妊娠の維持が困難になることが、本報告でも指摘されています。
”One theory is that a higher than normal uNK level may cause increased production of angiogenic factors leading to increased peri-implantation blood flow and excessive oxidative stress to trophoblast cells”
この免疫のバランスを整えるために、最近注目されているのが「メチレーション回路」です。
現在、皆さんが取り組まれている、栄養3種は、このメチレーション回路をドライブさせる役割がございます(結果に繋がられている皆さん、全て摂られているのはお伝えできます)
メチレーションとは、DNAやタンパク質にメチル基(CH₃)を付加することで、遺伝子の発現を制御する重要な代謝経路です。このメカニズムによって、uNK細胞の適切な制御が可能になります。特に、DNAメチル化が正常に機能することで、炎症性サイトカインの過剰産生を防ぎ、免疫バランスを調整することができます。
一方で、日本人は、葉酸を活性化できない多型が6割強と言われてあり
福岡の古賀文敏先生がご自院で、メチレーションを活性化できない多型の方6割ある事もデータ化されています。
この事から
着床を適切に進めていく為には
メチレーション回路を動かす栄養と
それらを吸収できる消化器
そして、その栄養を届ける循環を
丁寧に作り込んでいく事が大切と考えております。