皆さん、おはようございます。
この数日、夏日の様な気温ですがお身体の調子はいかがでしょうか?
身体の反応を進めていくには「酵素」が必要ですが、その酵素活性には「亜鉛」が必要とされています。
その亜鉛欠乏に関して、
日本人の保険診療レセプトデータベースから13,100人を対象にした研究成果が
順天堂大学から2月にオープンアクセスされています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10837122/#CR13
男女ともに年齢が重なるにつれ、亜鉛欠乏も増加し
30、40代女性においては(20代50代と比較して)亜鉛欠乏が高く
また、妊活されている皆さんも多く治療されている甲状腺ホルモン治療をされている場合も亜鉛欠乏が顕著になっています。
*亜鉛欠乏は血清アルブミン、総タンパク質との相関も指摘されています=タンパク質不足は亜鉛不足と言い換えることができるかも知れません。
亜鉛は
炎症を助長する活性酸素種( ROS)を減少させるだけでなく
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25988117/
受精卵の着床を阻害する「血液凝固をブレーキする」ミネラルとも言われています
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19244162/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23238804
亜鉛がある事で、受精卵が内膜に潜り込む際の浸潤などの周囲組織を溶かしていく状態を安定させる
(反対に亜鉛がなければ、血液が固まり、内膜に受精卵が潜り込めないとも言えます)
この亜鉛不足を図る一つの指標として、亜鉛は皮膚に豊富に含まれている事が指摘されていますので
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5852775/
亜鉛が欠乏した場合、皮膚に何かしらの問題が起こっている可能性があります
特にTh1~10の交感神経節が分岐している胸椎周囲の皮膚炎症(=背中の吹き出物)に関しては
評価指標として来られている皆さんと共有しています
採卵→胚盤胞への移行が順調にも関わらず、移植後に陽性反応をなかなか獲得ができない場合において
亜鉛欠乏への修正(消化→吸収→栄養補強)の再考は打開策に繋がるかも知れません
亜鉛は鉄と同様に硬いミネラルですので、胃酸を出して融解する必要がある事から、ビタミンCと同時に摂ることも有効です(スピルリナも多分にそれらの要素を含んでおります。)
そして、亜鉛吸収する小腸をデトックスする上で、過去の皆さんの実績から鑑みてもファスティングは有効な選択肢の一つと考えます。
実は、大豆に含まれているフィチン酸は、亜鉛をキレート結合(除去)すると言われています。妊活においてエストロゲン様の作用があるとされ、また植物性タンパク質としてヘルシーな食材ですが、上記の着床が思わしく進まない場合においては、大豆関連は留意する必要があると考えられます。