本日は、
マグネシウムと胚分割
についての研究報告のご紹介です
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(04)02059-X/fulltext
1)体外受精の治療を受けている。25歳〜35歳の25名、150個の受精卵に対して
2)培養時のマグネシウムイオン濃度を
① 1mmol/l(グループa)
② 2mmol/l (グループb)に設定し
3)24時間後に分裂された細胞数を観察
4)結果
グループ b が優位に細胞数の増加が認められた
と報告されています。
培養時にマグネシウム濃度が高い方が細胞分裂が増加=胚の割球の増加=胚盤胞への成長
も考えられます。
今回は培養液内での観察ですが、3日胚を移植する場合、子宮内のマグネシウム濃度が高い事が有効と
言えます。
マグネシウムは、ミトコンドリアがエネルギー(ATP)を生成する際には必要とされていますが
実は、ホルモンを細胞内へ届ける役割も関わっています。
ホルモン
↓
↓そのままでは細胞膜があり情報を送れない
↓
卵巣
この事から、情報を転換する酵素が必要になってきます。
転換する為には「環状AMP」という情報伝達物質が必要になってきます
エストロゲン
↓
環状AMP
↓
卵巣
この環状AMPはATPから変換されます
エストロゲン
↓
環状 AMP←ATP(エネルギーの基)
↓
卵巣
上記のATPを環状ATPに変換する為にまた、「アデニル酸シクラーゼ」という酵素が必要になってきます
エストロゲン
↓
環状 AMP←←←ATP(エネルギーの基)
↓ ↑
↓ 「アデニル酸シクラーゼ(酵素)」
↓
卵巣
この酵素( アデニル酸シクラーゼ )を活性化する補酵素として
マグネシウム
が必要になってきます、
マグネシウムは
卵割の促進と、ホルモンの伝達において、大切なミネラルと言えます。
そして
マグネシウムは、小腸で吸収されます。
小腸の内皮が安定していない場合は、マグネシウムの吸収が阻害されることが考えられます。
ファスティングによる、変化の機序の一因は、ミネラルの吸収の変化にあるのかも知れません、