妊活コンディショニングサロンtotell(トテル)

葉酸、ビタミンB12について

本日は、葉酸が妊活において必要なことを示唆した報告です。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4588741/

採卵前の前の100名の女性に対して、前方視的に調査した貴重な報告になります。

葉酸、ビタミンB12の食事頻度アンケート(天然・合成葉酸の違いを無くすために)と、血清濃度を

生理開始3〜9日目(ゴナトロピン開始)に採血した結果を4段階に分類して比較されています

結果は以下になります。

1)血清葉酸値が最も高い女性は、最も低い女性と比較して

出生確率が

1.62倍

2)血清ビタミンB-12濃度が最も高い女性は、最も低い女性と比較して、

出生確率が

2.04倍

3)血清葉酸およびビタミンB-12濃度が中央値より高い女性は、中央値以下の女性と比較して

出生確率が1.92倍

上記により

生殖医療を行う前において、葉酸とビタミンB-12の血清濃度が高いほど出生率が高かった

と結論つけています。

また、興味深い処では

women in the highest quartile of serum vitamin B-12 had significantly lower BMIs than did women in the lowest quartile.

〜血清ビタミンB-12の最高四分位の女性は、最低四分位の女性よりもBMIが有意に低かった〜

BMIが高い女性はビタミン B12が低い事も示唆されています。

以上のことから、採卵前段階において、ビタミン12、葉酸を特異的に摂取する事も有効な戦略になり得るのではないかと考えます。

同報告では、何故、ビタミンB12が必要なのかも言及されています。

・ビタミン B-12 は、ホモシステインの再メチル化に関与する葉酸依存性メチオニン合成酵素の補因子

・チオニン誘導体であるS -アデノシルメチオニンは、体内の脂質、タンパク質、DNA のメチル化にとって最も重要なメチル供与体

・S -アデノシルメチオニンの欠乏はDNA メチル化を低下させ、その結果 DNA の低メチル化を引き起こし、遺伝子発現の異常なパターンを引き起こす可能性がある

・メチオニンシンターゼの障害のもう一つの結果はホモシステインの蓄積であり、これは細胞傷害性および酸化ストレスを誘発し、卵母細胞の成熟、胚の発育、内皮細胞の障害を引き起こす可能性がある

・栄養膜細胞がホモシステインの上昇にさらされると、細胞のアポトーシスが増加し、胎盤形成の成功に不可欠な栄養膜機能の阻害につながる可能性

も記載されています。

簡略的にまとめますと

ビタミンB12、葉酸の摂取は細胞が成長していく上で必要なDNA合成に関わり、同時に欠乏する事により酸化も亢進させ、細胞を損傷させる事になり、遺伝子の安定を損なう事が考えられます。

酸化は血液データでは、尿酸値が4以下の場合は注意が必要ですので、そこからビタミンB12の欠乏も考える事ができます。

また、胃酸欠乏により、吸収が低下する事も言われています、赤血球のサイズであるMCVが90を超えている場合にもその、指標となり得ます。

それらを相互的に鑑みながら

採卵数の低下、着床がうまくいかない、妊娠継続で苦しんでいる場合など

同栄養素の補強を検討されていく必要性を改めて考えています。

 

 

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