皆さん、こんにちは。
今週もスタートとなりました。
月・火曜日はお休みから、お身体が適応されていく時間と思います。
少しエネルギーを使われると思いますが
捕食
適度な休養
etcを絡ませながら、うまくランディングして頂ければと思います。
昨日はミトコンドリアが糖をエネルギーにして細胞の増殖に寄与しているの事をお伝えさせて頂きました。
下記の図を見て頂ければ判るのですが、強い卵子はミトコンドリアがぎっしりと詰まっています。
ただ、成長していく受精卵は
卵子だけのミトコンドリアだけではなく、受精後は精子のミトコンドリアも含まれながら
減数分裂を繰り返して、受精卵の割球ができ、胚盤胞という胎児の基本形が形成されていきます。
卵子にもともと膨大にあったミトコンドリア と、新しく入ってきた精子ミトコンドリアはどうなるのかを報告したのが下記になります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjws/13/1/13_13002/_pdf/-char/ja
群馬大学の線虫を用いた報告によれば
受精後に「残るミトコンドリア」は「母性のミトコンドリア」と同定してあります。
同文献から考えた場合、分割を進めていくエネルギーを作り出す為に
「卵子のミトコンドリアを強く形成」
しておく必要があると考えられます。
また、同文献では、
受精し初期胚を形成する為には、父親のミトコンドリアを含む細胞小器官を「オートファジー」する必要があると言われています。
オートファジーとは
「細胞内の老廃物や有害物質、正常な組織などをすべて回収・分解し、リサイクルして新しいものに作り変えること」
と言われています
要らないものを掃除する役割です。
「オートファジー」と「ミトコンドリアの安定」は密接に関わっています。
下記文献では
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5514379/
〜in models of mitochondria-targeted damage or oxidative-stress induced senescence, autophagy was shown to retard acquisition of senescence〜
〜ミトコンドリアを標的とした損傷または酸化ストレス誘発性老化のモデルでは、オートファジーが老化の獲得を遅らせることが示された〜
と述べられています。
1)受精後から初期胚を形成するために必要とされる「オートファジー」
2)母体のミトコンドリアの活性化
は相互的に関わっています。
そして、
それらを同時に促すのが
「ファスティンング(断食)」
と言われています。
上記文献では、また以下のように述べられています
〜caloric restriction induce autophagy and relieve senescence-associated phenotypes
〜「カロリー制限」は、オートファジーを誘導し、老化に関連する表現型を軽減する〜
これらの事から、ファスティングは初期胚への移行する為に必要なオートファジーをも活性化する事が考えられます。
また、ミトコンドリアの活性化には、ファスティングにより、AMPKという代謝スイッチが入り、ミトコンドリアの活性化が促進されるとされています。
一方で、ファスティング(断食)は、細胞増殖に必要な糖質の安定的配給を一時的に低下させます
この事からも
ファスティングを行う時期の設定と、ファスティングは糖質の補強をしながら行う事が大切な要素と考えています
まとめますと
1)ミトコンドリアを活性化するために、採卵周期の前周期に集中的な3日ファスティングを行い
(できれば翌周期はリカバリー周期として使用)
2)卵子の増殖を必要な時期には、良質な糖を摂取
3)受精卵から初期胚に相当する移植後は、脂質のあるものは控えつつ、夕食のみ断食(1回/w)、良質な糖を摂る
上記のような、対策を取り組んで頂き、今月、採卵へ向かわれる久留米市のJさん
昨年の11月コロナ罹患後の生理後のFSHの数値が、基準値内に戻ってこられた事を
本日、ご報告を頂きました。
妊活は、時間との勝負ではありますが、それよりも体質を安定させる選択をすべき時期もあるのではと考えております。
年数経過しても、過去と等しい身体の設定、そして、栄養価の入力を繰り返し継続して頂く事は
過去を超えていく必要要件となり得るのではと考えています