所属している日本産科婦人科学会誌が届きました。
こちらに子宮内膜症についての論文が掲載されていました
子宮内膜症発症に関する因子として
1)炎症マーカー
同疾患保持の方は腹水、末梢血中のIL-β、IL-6、TNF-α、高感度CRPが高い事が指摘されており、特に40歳以下の若い女性がその傾向が高い事が指摘されています。
2)酸化ストレスマーカー
逆流した月経血とヘム・鉄が酸化ストレスマーカーと関与と、また
① 腹水内の活性酸素(re-active oxygen species)の増加
② 腹水内のLDL(悪玉)コレステロールの増加
③ 腹水中のビタミンEの低下
④ 内膜でのヒートショックプロテイン(壊れたタンパク質を回復させる)の増加
⑤ 内膜の抗酸化酵素(An-tioxidant enzyme)過剰発現
内膜だけでなく、腹水にも炎症物質関連が増加している事が判ります
3)血管内皮機能障害
血管内皮依存性血管拡張反応が、コントロール群(内膜症を持たれていない方)と比較して低い、つまり、血流量をコントロールする事が難しい事が指摘されています。
4)接着因子
血中細胞接着因子レベルが高い=つまり、細胞同士がくっついて塊になりやすい事が指摘されています
5)脂質代謝
総コレステロール値、LDL(悪玉)コレステロール値、中性脂肪値が増加している
HDL(善玉)コレステロール値が低下しているのをコントロール(内膜症を持たれていない方)と比較して言われています
6)閉経
①初経年齢の早さ
②月経周期の短さ
③月経周期が長い
④喫煙
これらも内膜症と関係している事が指摘されています。
7)栄養
① オメガ3系脂肪酸の摂取は子宮内膜症リスクを軽減する
② トランス脂肪酸の摂取はリスクの増加との報告
③ ビタミンDレベルが低いとリスク増加
この様なことが記載されていました。
特筆すべきは医学会でも、栄養に関してエビデンスが認められ始めている事は僕らの活動にも繋がってきています。
これらをどう解決すべきかを今度12月8日、29日にセミナーを行います
ご興味がある方は、ご検討いただければ幸いです。
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