本日、順天堂大学からプレスリリースされた報告がこちらです。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35418210/
研究報告に関しては以下になります。
1)前立腺癌の患者さんを23名対象に、男性ホルモン(アンドロゲン)を抑制する治療法(ADT)を行った場合
2)24週間後のテストステロン値(精巣からでるホルモン)と腸内細菌叢の変化を調査
3)結果
The α- and ß-diversity of gut microbiota decreased significantly at 24 weeks after ADT (p = 0.017, p < 0.001, respectively)
「腸内細菌叢のαおよびβ多様性は、ADT後24週目に有意に減少した(それぞれ、p = 0.017, p < 0.001)」
The decline in testosterone levels resulted in detrimental changes in gut microbiota
「テストステロン値の低下により、腸内細菌叢に有害な変化が生じた」
とされています。
精子形成は、精巣にあるセルトリ細胞が精子形成過程において栄養を与え活性化を図り
そして
そのセルトリ細胞を更に、活性化するのが男性ホルモン(テストステロン)の役割とされています。
男性ホルモンの役割に関しては、性欲を高める、脂肪分解なども挙げられます、
それらが低下している場合は、ホルモン低下があり、且つ、腸内環境が乱れている場合( dysbiosis )
が起こっている可能性があります。
時折、皆さんから、性交する事が難しい、どうしたら良いかを質問される事があります。
実は、脳内の視床下部からでる GnRH がテストステロンへの刺激へと繋がります。
そして、腸内環境が乱れる事で、アンモニアがより腸内で生成され、それが脳内の状態を低下させることも指摘されています。
男性器の機能を維持するには、脳内環境を安定させる上でも、腸内環境を安定させることが選択肢の一つと考えることができるかも知れません