今月、初旬に開催された「第65回 日本生殖医学会」に参加して参りました。
http://www.congre.co.jp/jsrm65/greeting/index.html
今回はweb開催となり、例年と比較して演題数が少なくなっていましたが、その分、一つの演題にじっくりと向き合うことができ、例年以上に、学びの深い学会となりました。
その中でも,特に印象深かったのが
初日に行われた
国際医療福祉大学医学部産婦人科 河村和弘 先生の
教育講演
「早発卵巣不全の不妊治療に挑む最新の研究」。
当院でも沢山の方々が悩まれている
「卵胞が育たない」
昨年の神戸で行われた同学会に参加した際に
河村先生にセッション後に直接お話をお聞きした内容をより今回、確認する機会ともなりました。
今回の基調講演の中で特に関心高くお聞きしたのが
卵の初期である「原始卵胞」は
「卵巣の表層」にあるという事です。
Determination of Follicular Localization in Human Ovarian Cortex for Vitrification
上記の文献にも記載されていますが
早発性閉経(POI)の皆さんに関しては、「比較的に深い処に原始卵胞が局在」している事が指摘されています。
人間の卵巣は、実は硬い皮膜に覆われています。
硬いブロックにより、生誕してから2度と再生することのない卵子の素である「卵胞」を大切に守っています。
その分、情報の交換も簡単でないことが考えられます
それは
卵子が立ち上がる為に、外部からの刺激入力をより効率化する為に「表層」に、
卵子成熟のスタートである「原始卵胞」が位置しているとも考えることができます。
河村先生は当初、PTENというシグナルが卵胞の活成化を抑制している事を見つけ、
同抑制剤に自家卵巣切片を培養させ移植する事により
早発性閉経の皆さん37名中20名から残存卵胞を発育させることに成功されています。
しかし、移植後の卵胞の立ち上がりの経過を観察されていた際に
通常、原始卵胞の発育は4~5ヶ月経過して起こるはずが、早期(1〜2ヶ月)に卵胞の立ち上がりが認められたケースが数多く見られたことから
卵巣そのものに物理的な刺激が入ることが2次卵胞の立ちがりを促進したこと
を追跡研究から述べてありました。
その物理的刺激に関して
昨年、河村先生にセッション後に質問させて頂いた際に
(私の)肩を押されて、「この圧刺激が大切」
と教えて頂いた経緯があります。
totellでは
外部からの圧刺激という観点を、現在皆さんへ整体、ヨガなどで対応し
その経過の中から、通常変化しないとされるAMH(卵胞から出るホルモン)が変化していかれるのは、それほど珍しくなくなってきています。
多方面からの卵巣への物理的刺激が、小さな眠っている卵胞を成長させる一因になっているのではと思いを強める機会ともなりました。
この他にも沢山の得難い知見を今回、得ることができました。
また、少しずつ皆さんへご紹介していければと思っております。