11月7日〜8日にかけて神戸国際会議場にて行われた
第64回 日本生殖医学会 学術講演会
に参加して参りました。
本会において、小さな卵胞の立ち上がりをどう考えればよいのかを?
その点を集中的に学んで参りました。
当院は年齢が40代の皆さんが数多くお越しになります。
体外受精などを実施され、結果が伴われずに悩まれている経緯を経る場合が少なくありません。
上記のデータは体外受精のもっとも多い年齢が39歳であることが示された日本産科婦人科学会のデータです。
年齢が高くなるに従いよい結果が出にくくなり、これは「卵巣の状態」の変化に起因していると言われています。
上記の図を見ていただくと、毎月排卵する為に、最初に1000個の小さな原子卵胞が立ち上がっているのが判ります。
研究結果は、原子卵胞を経た後の3周期前(排卵する3ヶ月前)の前胞状卵胞時には「男性ホルモン」が有効なトリガーになるのが指摘されています。
昨日の学会内で国際医療福祉大学の河村教授とお話する機会がありました。
その際に言われたのが
「原子卵胞から一次卵胞」へ移行する医学的な機序はみつかっていない
つまり
2周期前から成熟卵子までの成長に関してはFSHに反応します(体外受精でホルモン調整される期間がここになります)ので、ホルモン剤投与をして成長を促進できますが
もし、効果がなかった場合には
基本的にホルモン剤 投与以外に手段がない事が、現時点での医学の課題になっております。
② 早発卵巣不全(卵子の卵の立ち上がりがない状態:エコーで診断されます)において、原子卵胞の立ち上がりの少なさはAMH(卵巣年齢)の低下につながります(AMHは小さい2次卵胞以降から出る微弱なホルモン値を計測しています。)
英ウイメンズクリニックの塩谷先生の講話をお聞きしましたが、臨床的にもその関与・関連性が強い事を指摘されて在りました。
上記の図のエビデンスでは、男性ホルモンの低下を指摘されて在ります。
前述の河村先生との会話において、
「卵巣へのある刺激が、原子卵胞へ活性化を促す」
その事をお聞きしました。また、セッション中に隣席したセントマザー病院の山口先生も卵巣への刺激を入れる方法を模索されて在り、少し詳しくその機序、その後の経過などをお聞きする事ができました。
日本生殖医学会で学び得た知見を組み合わせた所
当院の今まで皆さんと進めてきた経過に
これらの「ある刺激」の問題を解決する手立てがある事が判りました。
下記の図は、当院にお越しになる前に
卵が成長しない早発閉経の診断を受けられた方のAMH(卵巣年齢)の変化を示したものです。
こちらに来て頂いて、お身体つくりを3ヶ月ほど進めて頂きました
その後、医療機関に行かれて再度、AMHの数字を計測されたのを比較したものになります
通常変化しないと言われているAMHが変化されて、卵胞が育ち、採卵まで実施されています。
皆さんが積み上げられた経過と結果が、河村先生から頂いたヒントと繋がっております。
今後は、再度、この強化すべき点を皆さんと共有させて頂いて、より確かな卵子の成長を促すお手伝いができればと思います。