前日のホルモン値が戻って来られた方から、再度ご相談を受けています。
「家の中にいるとすごく落ち込んでやる気が出ない」
この相談を受けた時にどう対応するかが大切と思います。
気のせいとするか
単なる励ましで終了するのか
非常に難しいですが、不妊治療される方は2015年42万人、その内7万人が成功されてあります。
つまり、6人に一人、もしくは6回に1回の成功です。
1回の治療費が平均60万円かかります
最後の手段としてチャレンジされます
それでも明確な原因を提示されない場合が往々です
(勿論、生化学的検査を行う事はできますが多因子が複雑に絡み合い特定は難しい現状があります)
その際に深く関わる自分たちにとって、精神論のみで対応していくのはどうかと何時も考えていました
現場での臨床感と
ある一定のデータ上の定義、生理学的な観点を基に
不安定な気持ちをどれだけ、僕らの提示したもので
整理して頂くかが
情動が安定して、結果に結びつく可能性が高まると考えています
正しい、正しくない事に時間を割くよりも
前に自分の足で進んで頂く事を現場では優先してきました
それが結果3年間で73名に一つの結果(陽性反応)をご提示できたと思っています。
今回のケースはお話をお聞きしていると
「買い物などをしているときは気持ちが落ち込む事を忘れている」
そんな問診からも提案の一助が出てきます。
今までホルモンが安定されていなかった中で、急に安定されてきているという事は
ホルモンの中枢である「下垂体」と「卵巣」のホルモンの情報伝達がしっかりと行われているという事です。
という事は今までの脳内ホルモンの状態では、以前と異なり過活動である事は推察できます。
「下垂体」は大脳辺縁系で脳内の深部にあり情動(=気持ち)と深く関わっています。やる気のスイッチと言われる淡蒼球も同じ部位にあります
不安、恐怖(=扁桃体)と拮抗するのが「前頭前野」です。
前頭前野は少し強引ですが「社会脳」と言われています。
コミュニケーションなどを司る部位です。
「買い物をしていると忘れている」
そのことばから、社会的行為を行うことで「前頭前野」が活動し、不安情動の変化が起こっていると仮説の上で
起こすべき行動をご提案できます。
本人の努力が足りない
環境が大変だから仕方ない
などにしない事だと思います。
できる事ならすぐに取り掛かられている筈です。
そこで僕らの高い位置で考えずに
その方法は様々と思いますが
セラピストとして出来る最大限を行っていく事と思います