皆さん、おはようございます
10月16日に、在籍させて頂いています久留米大学内の
医学部薬理講座から
腸内の炎症に併発する不安を抑制する抗炎症薬を発見した事がプレスリリースされました。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0889159123002428?via%3Dihub
本研究は、マウスを使った実験になります
マウスの腸内に腸炎を起こし、それらに対して
680C91
という薬剤を使用して
1)キヌレニン回路へ移行するTDOという酵素を抑制
また
2)炎症を起こす伝達経路のJAK、STAT経路を抑制
上記2項目を抑制する事で
不安行動の低下を促す
ことを同定されています
これらにより、680C91は、全身炎症に併発する不安に対して治療効果を生む可能性を導き出しました
腸内の炎症が、不安を生み出す事に着目して研究を行われています。
(腸内環境の乱れは気持ちに通じます)
個人的に着目したいのが、キヌレニン回路についてです
キヌレニン回路は、実は、生理時の頭痛とも関連があることが指摘されています
上記の図は、主に脳内神経回路になります。
一番左のカスケードは、
セロトニン回路:
セロトニンはドーパミン、ノルアドレナリンを抑制し、気持ちを安定させます。また妊活においても大切な睡眠に必要なメラトニンも産生します。
ただ、炎症やストレスが強い場合
IDOという酵素が活性化されトリプトファンというタンパク質を、キヌレニン回路へ変え
結果、神経毒を誘発する事が判っています。
そして、実は
エストロゲン
はこのキヌレニン回路を促進することも判っています。
つまり、
エストロゲンが過剰→キヌレニン回路亢進→神経毒蓄積→偏頭痛
というカスケードが想起されます。
エストロゲンは肝臓にて解毒されます。
肝機能の安定は
とても大切な神経毒への移行を防ぐ内臓機能と考える事ができます。