上記の内容は生殖医学会で報告された研究です。
こちらの報告では、
内膜症を持たれている方に対して、内膜症のある子宮の免疫を調べた際に抑制性免疫が高く、マクロファージが内膜症の方には少なかったと述べられています。
これを少し整理してみますと、① 抑制性免疫が高いという事に関して
通常、母体から卵子が出て来ていますが、一度体内(卵巣)から出てしまっていますので、受精卵といえども受け入れる母体としては異物になります。その異物を受け入れない役割をいているのが免疫機構(抑制性Tーreg)ですので、Tregが「高い」という事は(受精卵を)受け入れることを拒否することを強めます。このTregは出来るだけ少ない方がよいと考えた場合には、子宮内膜症の方にとっては、このTregが多い事は不利になります。
次に②マクロファージも免疫機構の一つですが、このマクロファージの子宮内役割には諸説がありますが、損傷をした組織を修復する役割があるとされてもいます。つまり、内膜症という損傷を修復する免疫が少ないことが考えられます。
そして、この免疫のミスマッチはどこから起こるのでしょうか?
内膜症の原因の一つに、月経血の逆流があると言われています。
生理の際に、月経血が子宮に変化を起こす考え方です。
そして、同じ日本生殖医学会での上記の研究では
「子宮に病変(内膜症)がある場合と血液の炎症は関係性が高い」
つまり、内膜症を持たれている方は血液が炎症している可能性について述べてあります。
(炎症は、健康診断のデータから判別することができます。)
ではどうして血液は炎症しているのでしょうか?
ここのポイントを考えて、サポートしていく事が、もしかすれば、子宮環境を変化させ、そして、着床のチカラをあげることになるのかもしれません。
明日から神戸で行われる「日本生殖医学学術会」に参加して参ります。
大きな会場を2つ借りられて、規模の大きい会です。2年越しの会ですので
その分、しっかりと知識を吸収して、来て頂いている皆さんへしっかりと還元して参ります。