皆さん、おはようございます!
半袖では少し肌寒く感じる様になりました、考えてみれば10月ですね
これから少しずつ、秋が深まりますね、冬に向けて準備を進めていく時期です。
本日は、
身体を冷やさないことに関連した
来週に控えた学会でお話ししたい内容の一部をご紹介さぜて頂きます。
実は、ヒトの卵巣の表層にある卵巣皮質は、解剖学的に無血管とされています。
以前、大学院にて、検体の解剖実習を受講した事があります、ご年齢を経られた閉経されている女性のご検体の方々でしたが、注意深く教官の先生にもご質問をさせて頂きましたが、卵巣がないご検体の方々が複数おられました。
これは、よく考えてみますと、血管分布がない=栄養が届かない=退行にて、臓器はなくなるという事を考えることができます(一方で子宮は皆さん形状を保ってありました。)
この事から、学会に参加させて頂いた中で、血流に関する演題は殆ど、取り上げられることがない印象も、上記の理由からと考えられます。
しかし、何かしらの方法によって、栄養を維持しなければ、臓器を形成する細胞はその生命を維持する事ができません。
そして、皆さんが苦しまれている
卵子(卵胞の)成長がどのように進んでいるのか、が不確定な理由は
卵巣の栄養が他の臓器と異なる独自の生態を持っているからとも言えます。
それらの卵胞の発育に関して、昨年の日本生殖医学会のシンポジウムにてある報告が為されました。
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.aav9960…
マウスを使った研究ではありますが「休眠状態にある卵胞(卵子を包んでいる袋)が、機械的な圧力(ストレス)によって休眠状態を保っている」という研究報告が為され感銘を受けました。これは、例えるなら春先に毛布を圧縮して小さく収納される様に、卵巣に眠っているイメージです。
さらに上記の報告では、卵胞の分布はランダムではなく、血管網を中心に「組織化」されていることも示されています。卵胞が育つのが、皮質近くの卵胞であり(早発性閉経の場合は、卵胞が皮質近くになく、深く奥に多くあることも報告されています)これは、血管に近いより卵胞が、いわば、りんごの木になる実のように成長する可能性を示しています。そして、この休眠を解除するプロテアーゼという酵素の活性化する温度が37〜42度とも言われています。つまり、体温を上げて、血管新生が豊富にできている卵巣の周りが、卵胞の反応性を高めて、卵子も成長させている事が考えらます。体温を高く保つ(=プロテアーゼが活性化)↓小さな原始卵胞が休眠から覚める↓原始卵胞が立ち上がるとされる半年〜3ヶ月前に積極的に行う↓採卵できる卵胞の絶対数が増える体温をしっかりと上げる準備から採卵へ向かう有効性をこれらの研究は示していると考えています。