皆さん、こんにちは。
今日は日中も寒さが強く、身体の体温コントロールが少し大変です。
お身体の体調等は如何でしょうか?
本日は、35歳以降の卵子の「膜形態」が変化し、受精率、妊娠率も同時に低下させる事が解明されました。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11668875/
本研究チームは、
1)ヒトの20~25歳ごろに相当する10~12週齢「若齢マウス」
2)ヒトの35~40歳に相当する34~38週齢「加齢マウス」
双方の「卵子」を比較し、加齢に伴う卵子の「形態変化」が「受精能の低下」を引き起こすメカニズムを解析しました。
結果)
1)若齢マウスと比較して加齢マウスの産仔数は有意に低くなりました
2)卵丘細胞から卵子透明帯に向けて形成される仮足(Transzonal projection, TZP)の減少に伴い、卵丘細胞から卵子への物質輸送が少なく、卵子成熟の低下
3)体外受精において、若齢卵子に比べて加齢卵子の受精率が有意に低くなりました
4)遺伝子検査では問題はなかった
5)卵子透明帯への精子の結合能を調べたところ、加齢マウスの卵子透明帯には精子が結合しにくいことが判明
6)電子顕微鏡での観察にて、卵子透明帯に特徴的な表面の網目状構造が、加齢卵子の透明帯では平滑構造へと変化していることがわかりました
7)還元型グルタチオンを添加したうえで体外受精を行ったところ、卵子透明帯の膨化が生じ、加齢卵子でも「受精率の改善」が見いだされました
8)還元型グルタチオン添加した体外受精後の「胚発生率」はグルタチオン非存在下と変わりませんでした
と報告が為されています。
今回の報告で着目したいのは
*膜が変化している加齢マウスは、妊娠するチカラは低下しているけれども、遺伝子検査では問題はなく、受精では有意な低下がみられている
*そして、ヒトにあたる35歳〜40歳のマウスは、受精卵膜が網目でなく、塞がっている膜になっている
最後に
*「酸化」を抑制する「グルタチオン」を添付すると、膜の変化が起こり、受精率があがり、一方で胚の成長には変化がなかった
とされています。
画像、右下が隙間のない内膜で、加齢マウスで、受精が困難となっております。
受精が変化した作用をもつ「グルタチオン」は、主に肝臓で生成されます。
受精がうまく行かない場合は、肝機能の変化に着目されることもお勧めです。
そして、グルタチオンは、葉酸回路が活性化することで生成されます。
葉酸回路は、葉酸、そのものより、ビタミンB群、亜鉛、葉酸が必要になってきます。
下記図の赤矢印の部分です・
ビタミンB群が身体にストックされているのは、一般的な健康診断の血液検査で判ります。
ALT の数値が
20
に近しいほど、ビタミンB群の貯金ができていると。分子栄養学的には判断されます。
ここの数値に少し、関心を持って頂くこともお勧めです。