先日の日本生殖医学会において、とても興味深い教育講演がございましたので、ご紹介できればと思います。
広島大学大学院統合生命科学
島田 昌之 教授
「生殖生物学の新知見に基づく家畜繁殖技術開発」
本講演で言われていた内容で特筆すべき点が
「顆粒膜細胞の増殖は嫌気的解糖系でなくミトコンドリアで産生されるATP依存である」
との見解を述べられてありました。
先ずは、顆粒膜細胞についてです
上記の図は
肌色が卵巣、そして、赤い袋が「卵胞」になります。
この卵胞が成長し20mmほどなると、上記の様に首席卵胞が排卵を起こします。
黄色い透明体に覆われた卵子が排卵しています。
この赤い袋「卵胞」が大きくなることで卵も成長していきます。
卵胞の中が下記の図になり
顆粒膜細胞が増殖を進めていくと、LH受容体も増殖されて
反応を強め、結果、排卵をすることも、島田先生は同講演にて述べられてありました。
それは、
卵が成長、そして、排卵をする上では
「顆粒膜細胞の増殖」は必要であり、
「解糖系よりミトコンドリアのエネルギー生成によって成長増殖」
をしていくことが示唆されてありました。
顆粒膜細胞=ミトコンドリア
の場合
ミトコンドリアを動かす上で必要な栄養は幾つかあげる事ができます。
「脂肪酸」を資源としたミトコンドリアのエネルギー生成は大きなエネルギーを生み出します、常々、当施設に来ている皆さんにおいては、脂質の吸収について検討を進めて頂いています。
そして、必須なビタミン・ミネラルとして
ビタミンB系
鉄
マグネシウム
が必要です。
これらの資源を卵巣へ、届けていくことが「妊活サポート」で求められている事であるとも考えております。
また、島田先生によると
ミトコンドリアによりATPが過剰に生成される際に、その副産物として活性酸素(ROS)が産生され、
活性酸素の量の低減が卵胞発育の有無を決定している
ことを述べられて、下記の追記実験を実施されています。
「腸管から吸収されやす い抗酸化因子(PQQ とエルゴチオネイン)を雌マウスに飲水投与した結果,排卵前卵胞へと発達する卵胞数が有意 に増加し,過剰排卵処理での排卵数が 1.5 倍程度増加,自然周期においても産子数が 1 匹以上増加」
当施設では活性酸素に関しての対策として水素ガスを採用しています
下記をご参照下さい
https://totell2017.com/wordpress/wp-admin/post.php?post=5128&action=edit
酸化指数は血液データでは推し量ることが可能です
痛風の指標とされている「尿酸値」
この数値が低い場合は酸化対応がお身体でうまく進まれていないことを検討していきます。
水素ガス等対応をさせて頂き
無事に採卵が進まれた事、ご報告を頂きました。
今後もより良いサポートを進めまります。