理学療法士の妊活サロン totell (トテル)

不妊治療と着床について

昨年の年末の佐賀新聞に「不育症」についての記事が掲載されていたのを拝見しました。

佐賀新聞:不育症について.2017/12/30

「不育症」とは不妊症と異なり、妊娠はされるけれども胎児の生育が進まれない事をいいます。

 

原因は諸説ありますが

1)遺伝子的因子:染色体異常

2)解剖学的因子:子宮筋腫など

3)内分泌因子:ホルモンの過剰・減少状態

4)血液凝固因子:子宮周囲の血流の問題

5)免疫学的因子:自分の身体を抗体が攻撃してしまうもの

 

先般行われた日本生殖医学会においても4)血液凝固に対する「プロテインS」の採用による研究結果を数多くみました。

当施設では、心拍確認までいけば皆さんご出産までいかれます。

心拍確認は6wから8wまでに確認できるといわれています。

 

妊娠初期の部分がどうなっているのかを、今回は「子宮内膜」の観点から考えていければと思います。

 

先ずは受精卵を受け入れる「子宮内膜」の解剖学的構造を確認していきたいと思います。

生理時に「内膜が剥がれる」といいますが、それは「海綿層」より上部になります。血管においては「ラセン動脈」までが月経血として排泄されます。

 

その内膜が月経から15dほど経過すると、受精卵を受け入れるほど成長していきます。

そして、受精卵と成長した子宮内膜が交わりながら「胎盤」をつくる準備をしていきます(凡そ、胎盤完成が16wといわれています。「おしるし」とは、受精卵が内膜に潜り込んでいる時にでているものです)

母体側にある、白いラインが「ラセン動脈」です。ここが「絨毛間膣」を通じて母体からの栄養のやり取りを行っていきます。

胎児側は「絨毛」を伸ばしていきます。

この「絨毛」と「ラセン動脈」の血液のやり取り=母体から胎児への「血液の流入」は7wから始まります。そして7wから13W(胎盤が完成するまで)まで殆ど血流量の変化はみられていないとの研究結果があります。

【Hum Reprod 2017; 32: 2382(米国)doi:10.1093/humrep/dex301】

もともと胚盤胞をお持ちになった場合、通常よいグレードから移植をされていきます。

しかし、往々にして、当施設に来られるのは、数回、体外受精を実施されて、上手くいかれなかった場合にお越しになるケースが多く、残り最後の胚盤胞を移植されて、結果ご出産までいかれる事が少なくありません。

 

この受精卵と子宮内膜の血流のやり取りの始まりが7w=つまり心拍確認の時期に行われていて、それが行える「子宮の状態」を作ることが、ご出産までにいかれるポイントになるといえます。

 

生理で一旦剥がれ落ちた、子宮内膜の「ラセン動脈」の再生をどれだけ促せるか?

 

その場合にヨガを行ってよい結果を掴まれているケースが多くなられています。

 

それは、「子宮内への血流量」を移植までにどれだけ確保するか?

と考えて皆さんと地道に取り組んでいます。

 

そして、「13wまでは血流量の変化がない」との示唆がある事からも

胎盤を形成するまではあまり活動性を上げていかない事も大切になってくると考えられます。

 

この1月数多くの皆さんが採卵、移植へ向かわれます。

受精卵を受け入れる「子宮つくり」をしっかりと進めていきたいと思います。