理学療法士の妊活サロン totell (トテル)

ケトン体と不妊治療

先日、山口で行われた日本生殖医学会で福岡のある不妊専門治療クリニックからひとつの報告がなされていました。

対象)2016年11月〜2017年3月に体外受精を行った132周期の方

1)生殖医療時、採卵時の卵胞液のケトン体濃度を測定

2)ケトン体濃度

    ① 100 umol/L以上

    ② 99-50 umol/L

          ③ 50 umol/L未満

   3群間の胚培養成績を検討

3)卵子成熟率は有意差なし

4)Day3良好胚率 ①62.0% ②56.6% ③53.5%と

  有意差はないが①群で高い傾向

5)良好胚盤胞率①28.3%②16.5%③8.4%と

  ①で高く、①と③の比較では有意差あり

6)妊娠率①51.9%②32.6%③26.5%

  ①群で高い傾向

【北上ら:卵胞液に含まれるケトン体濃度が胚培養に与える影響の検討.第62回日本生殖医学会学術講演会.2017】

上記の報告によれば

ケトン体が高い傾向にある方(①)が胚盤胞になった場合よいグレードになる事や妊娠率が高い傾向が報告されています。

ケトン体は脂質(脂肪酸)を身体で代謝(使用)した場合に生成されるものです。

エネルギーの優先順位としては、まず、糖質(甘いもの=グルコース)が利用されます。とても簡単にエネルギーになります(嫌気性代謝)が、そのエネルギー量が少ない為に、すぐに無くなります=いつも、糖質(グルコース)を取らないといけなくなる

糖質(グルコース)に依存してしまうと、甘いものでストレス(エネルギーを消費する)をコントロールする事で糖質を止める事ができない

その様なスパイラルに入ります。

これが

脂質を使える様(β酸化)になれば、糖質利用のATP(エネルギー)より4倍になり、とても効率よくエネルギーを生成できます=代謝があがる=身体の機能があがる=生殖機能向上との可能性が考えられます。

この効率のよい「脂質」を利用できた時に肝臓からでる成分が「ケトン体」です。

このケトン体が卵胞液内に多くあった方がより妊娠しやすい

 

それが示唆されている今回のデータになります。

 

昨年度からファスティング(断食)を取り入れさせて頂いて進捗が進まなかった方が数多くよい結果を当施設でも頂かれた事はお伝えできます。

食事による過度な糖質を制限して、脂質を利用する状態がよい結果に繋がっている事も同時に示唆されたのではないかと考えています。

年度末になり、お食事の形態が変化しやすい時期になりました。

うまくファスティングを取り入れて頂いて体調管理を努められるのもよいかと思います。

また今回のデータは来年4月に行われる「こうのとりフォーラム」で登壇される予定の古賀文敏 先生の古賀文敏ウィメンズクリニックから提出された研究でした。

是非、皆さん来年のこうのとりフォーラムお越し頂ければと思います。

totellも出展ブースとして参加する予定になっております。

重ねてご参照のほどお願い頂ければと思います。