理学療法士の妊活サロン totell (トテル)

整体について② 気持ちへの取り組み

「整体について」の第2回目になります。

妊活をされている方々にとっての「整体」は、腰痛や肩こりを対象にした整体とは異なると考えています。

特にtotellにお越しになる皆さんは不妊治療をご経験されているケースが多い傾向にあります。

何度か治療を行われて、うまく行かれずに、整体へという経過を最初の問診でよくお聞きします。

 

不妊治療は「生殖医療」のことになります。往々にしてホルモン剤をご利用になられて、卵巣への刺激を人工的に引き上げて、卵を大きくし、採卵から培養、そして移植までいく手順を踏まれます。

医療でできる最後の手段になります。

それにも関わらず、11月の日本生殖医学会公表では42万人の実施に対して7万人の妊娠(2015年)とお聞きしました。

つまり6人に独りしか成功していない事になります。

 

ある意味その特殊な状態下におられる皆さんに、筋肉や動作を変化させる方法では対応ができないのは当然ですし、そもそも一般的な整体とのゴールが異なる事から、「妊活」の整体は独自の方法論であるべきと考えています。

 

その中で「妊活」を行うための「整体」

特に生殖医療を行われている皆さんへ提供する整体にとって大切なのは

血液の「質」と「量」を変化させる整体

であるべきと思います。

 

上記はホルモンの卵巣ー視床下部ー下垂体の関係ですが、脳からでるホルモンによって卵が形成されているのがお判りになると思います。

生殖医療ではこのホルモンを投薬にてコントロールする事が出来ますが

「卵巣そのもの」には変化を促す対応が手薄になっています。

そして

往々にして長期にホルモン剤を利用される事で

自ら拠出するホルモンのバランス低下が起こっている事も考えられます。

 

この事から、妊活における整体」は

 

1)卵巣への栄養配給(血液の質)を促す為の「内臓調整」

2)脳へのホルモン拠出を促す為の「頭蓋調整」

 

それらを担う事が大切と考えています。

 

今日は、この2)との関係が深い「脳」を中心に考えていきたいと思います。そこから、ホルモンと自律神経まで繋げていければと思います。

 

「”曖昧な”状況に対峙した場合に脳内の”扁桃体”と”眼窩前頭皮質”の活動性が増加する」

【Tyler Cowen, “Risk vs. uncertainty”(Marginal Revolution, December 13, 2005)】

上記の様な報告があります。

「妊活」は先行きが見えない”曖昧な”状態で過ごしていく事が往々にあります。

活動性が増す「扁桃体」は「不安」を司ります。また「眼窩前頭皮質」は「複雑で抽象的な出来事に反応」するといわれますので、簡単に処理できない辛い脳の状態になられている事が考えられます。

この眼窩前頭皮質に影響をあたえる方法があります。

これが「柔らかい触感覚」です。

【Neuroreport. 1999 Feb 25;10(3):453-9.】

totellの整体は「柔らかいtouch」になります。終始、不安で複雑な状況下で、自発的に活動性を増していた「眼窩前頭皮質」に対して整体の刺激を通じて意図的に外部から刺激を入れる事で、入力の切り替えを起こす事ができるのではないか?と考えています。

 不安とホルモンの関係は上記の図で表す事ができます。

ホルモンはいつも必要ではありません。1ヶ月の周期の中で

1)高まる時 2)低下する時

このリズムが必要です。ただ、扁桃体からの刺激が常時、視床下部へ刺激を入れ続ける事で、本当に必要な時に脳活動がうまく起動しない事も考えられます。

ホルモンをコントロールできる=脳内の無駄なノイズを無くし、必要な時に必要なホルモンをだせる事と考えています。

整体の「頭蓋調整」では、脳内圧を軽減させる事による脳へのストレスを軽減できるのではと考えています。

頭は実は縫合がいくつもあり、それが強固な靭帯で結合していますが呼吸に合わせて律動しています。赤ちゃんが分娩時頭から出て来れるのも頭がうまく変化できるからです。生育していくにつれてその動きは僅かになりますが、確かに動いています。この動きが緊張が高いと無くなり、結果、脳内圧が高くなるとみています。これを整体によってうまく調整することが可能です。頭蓋を施術すると急に深い眠りに入られる場合があります。その経過も今おられるお気持ちのあり方として捉えております。

また、この不安感を担う「扁桃体」と拮抗関係=シーソーの関係をしているのが「前頭前野」というおデコにある部位です。つまり、前頭前野の活動性を高める事が、不安感を抑えることにも繋がる可能性があります。

「脳腸相関」という研究があります。それによると

「内臓知覚が前頭前野に信号が投射される」

【福士 審,脳腸相関とストレス.ストレス科学研究 2013, 28, 16-19】

との報告があります。つまり「整体による内臓調整」が前頭前野の活動性を高め、結果、不安を司る「扁桃体」の活動を抑制する可能性がある事が考えられます。

内臓が変わる事で脳内への影響がある

この事から「内臓の活動」はどこで調整されているのか?という視点から考えていきたいと思います。

これは、「自律神経」が担っています。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」がありますが、内臓活動は「副交感神経」が担っています。

実は前述に記載されている「扁桃体」の活動が増すと「交感神経の活動が増します」ので、やはり「不安」を軽減する上で前頭前野の活動性を増すことが、内臓の活動を亢進させる事にもつながります。

結果、内臓の栄養吸収も向上し、よい血液を生成する経過になるのでは思います。

ここで述べているのは、あくまで仮説になります。ただ、分離していた研究結果をつないで、ひとつ、ひとつを実践していく事で過去2年間において皆さんへよい経過へと繋がってきたと実感を強めております。

自分達にあるのは、細やかな実践です。

そこを積み上げていけるかどうかで、採卵すらできなかった方々が、たどり着かれる到達点が変わられた事を数多く経験しています。

とても長くなり、最後までお付き合い頂きありがとうございました。

次回は、整体における 「部位」について考えていければと思います。